日本膝の痛み研究所 関西地区 姿勢整体院リプレの角山です。
いつもブログを読んでいただきありがとうございます。
今回は、今話題の変形性膝関節症における、膝の軟骨の再生医療についてのお話しです。
今年の初めごろにテレビで紹介されてから一気に注目を浴びたこの膝軟骨の再生医療ですが、実際どういった治療の流れで、どのように膝の軟骨が再生していくのか?そして、その治療を行った後、膝の痛みがどうなっていくのかを考えてみたいと思います。
Contents
今まで軟骨は一度すり減ると戻らないとされてきた
軟骨は神経や血管が存在しない為、一度すり減りや摩耗が起きると二度と元に戻ることはないとされてきました。しかし、この再生医療技術において、軟骨の再生が可能になりました。実際に再生医療を実施して変形性膝関節症によってすり減りや摩耗が起きていた軟骨が以前の状態にまで戻ったという症例もあります。
軟骨が復活する再生医療とは?
二度と元に戻らないとされてきた軟骨が再生するメカニズムというのは、自分の体内から採取される細胞、特に体の組織を構成する為に必要な「幹細胞」という細胞を再生を促したい部位に注入して組織の培養を試みるというものです。すると注入した幹細胞が軟骨表面に生着して、軟骨を保護する栄養因子が産生されてくるという流れで軟骨が再生されていきます。
変形性膝関節症の新治療として今話題に!
テレビでその再生医療のことを放送されてから、その治療を行っている病院が一気に予約でいっぱいになるという状態になりました。現在、膝の痛みで苦しんでいる方は日本に850万人いると想定されています。
膝の辛い痛みから解放されたい!痛みを気にせず自分の足で好きな所へ出かけることができる生活を取り戻したい!そんな想いをお持ちの方にとって、この再生医療は現代膝治療の救世主といえるべきではないでしょうか。
変形性膝関節症の再生医療の2つの落とし穴
確かに、人工関節のように手術をせずに関節内注射によって幹細胞を注入するというリスクも少なく、患者さんにとっても負担の少ない画期的な治療だとは思いますが、この治療に走りすぎるとある落とし穴に陥ってしまいまうんです。
その1:軟骨のすり減りの再発のリスク
軟骨が再生して元の状態に戻りました。そのまま元の生活戻るとどうなると思いますか?
間違いなく軟骨のすり減りは再発します!
なぜかというと、軟骨がすり減って摩耗した大元の原因に対する治療や処置をしていないからです。再生医療はあくまで、なくなってしまった軟骨を復活させることだけが目的です。軟骨がすり減った原因までは解消してくれません。
軟骨がすり減る原因としては、日常生活の癖や歩き方の癖で起こっている場合がほとんどです。軟骨の再生医療で普段の生活動作の癖は治ると思いますか?
その2:そもそも変形性膝関節症ではない場合
あなたは自分が変形性膝関節症になっていると思っている根拠は何ですか?
病院で診断されたからですか?自己判断ですか?
どちらにしても、一度この動画をご覧いただき考え直して下さい。
膝の痛みが変形性膝関節症ではないとすると、膝を動かしている筋肉や膝と関連している関節周りの問題、膝関節を保護している関節包という保護膜の問題で痛みが起こっている可能性が高いです。再生医療では関節内の軟骨の再生のみ行いますので、膝周りの組織に対しては何の効果もありません。
もう一度伺います。
あなたは本当に変形性膝関節症になっているのでしょうか?
軟骨の再生医療をうまく活用するには?
今話題の再生医療の内容とメリットデメリットを簡単ですがご紹介させていただきましたが、再生医療は確かに画期的な治療法だと思いますし、研究されていた先生方の「膝の痛みで苦しんでいる人を助けたい!」という想いがとてもよく伝わる治療です。
この最高の発明ともいえる治療法を最大限に活かすためには、上記に挙げたリスクを解消しながら再生医療を進めていくこと。つまり、軟骨を再生させるという症状に対する治療と普段の生活動作や歩き方の癖を改善して軟骨の摩耗を起こさないようにする原因に対する治療を同時進行で行っていくということです。
変形性膝関節症や軟骨のすり減りが起こった原因を取り除かないと、せっかくの最先端治療がただのその場しのぎの気休め治療になってしまうので、決して最先端治療や技術に走り過ぎずに、うまく使い分けて活用していくようにしましょう!
あなたのお悩みが一日でも早く解決できることを心よりお祈り申し上げます。