こんにちは。日本膝の痛み研究所福岡支部「未病リハビリセンターハレル」の今林です。
本日は半月板損傷の原因と対処法についてお話します。
・膝の外側を押すと痛い
・膝の曲げ伸ばしの時に痛い
・半月板損傷と言われたが、治るか不安
上記のようなことで悩んでいませんか?このブログでは正しい対処法や原因についてお伝えします。是非ご参考にしてください!
半月板損傷の種類
半月板損傷と言っても、損傷している場所・状態によって治療の選択や予後が変わってきます。
縦断裂は半月板に縦に亀裂の入っている状態です。
横断裂は半月板に横に亀裂が入っている状態です。
水平断裂は半月板に水平に亀裂が入り、めくり上がるような状態です。
水平断裂は特に膝関節の可動域の制限になりやすく、ロッキングと呼ばれる現象が見られます。ロッキングとは、急に膝が曲げられなくなったり、伸ばせなくなったりする事です。
これは、めくれ上がった半月板が膝関節に引っかかってしまうために起きる現象です。
手術をしなくて済む3つのケース
半月板損傷と言われて、すぐに「手術が必要」と思われている方が多いと思われますが、すべてのケースが手術の適応となるわけではありません。手術の必要がないケースをいくつか紹介します。
〇損傷しているところが外縁
半月板は主に血管から栄養を補給しています。血管は半月板の外縁に豊富にあるため、損傷しているところが半月板の外縁であれば、栄養を補給できるため治癒することができます。これは内側・外側半月板損傷の共に言えることです。しかし、損傷の程度によっては、完全には治癒が難しいことがあります。
〇炎症がひどくない
炎症は発赤(赤くなっている状態)、熱感、疼痛(痛み)、腫脹(腫れている状態)の4つが起きている状態を呼びます。
炎症は半月板損傷の損傷や進行の程度を伝えるバロメーターとなります。
この4つの状態の程度が軽度、または、どれか症状がなかった場合には炎症が治まってきている状態か、炎症が起きていない状態であるため、自然に治癒していきます。
〇軟骨が損傷・変形していない
半月板には、膝関節への衝撃を吸収する役割があります。膝関節の衝撃を吸収できることができるのは半月板と軟骨になります。
軟骨は半月板のすぐ下にあります。半月板が損傷することで、膝関節への衝撃が強くなるため、軟骨が損傷・変形しやすい状態になります。軟骨の損傷・変形がなければ、膝関節への負担を軽減することで、手術を行う必要がありません。
治療方法
〇ストレッチ
半月板損傷を患う人の多くの共通点として、膝関節周囲の筋肉が硬いという点があげられます。膝関節周囲の筋肉を柔軟にすることで悪化や再発を防ぐ効果があります。
具体的なところとしては、膝の前の筋肉である大腿四頭筋がありますが、重要なのは太ももの後ろにあるハムストリングスや、ふくらはぎの後ろにある筋肉になります。
ハムストリングスは座骨から膝の裏側までについています。付着部付近は半月板にも付着しています。
半月板は膝関節を曲げたり、伸ばしたりすると膝関節の動きと共に動きます。特に外側は、動きが内側に比べると大きいです。
そのため、ハムストリングスが硬いことで、半月板も動きにくくなります。また、膝関節や股関節の動きが悪くなります。すると半月板の損傷のリスクが高くなったり、悪化・再発したりすることがあります。
ふくらはぎも膝関節から踵に付着しているため、膝関節の運動に関わっています。ふくらはぎが硬いと足関節の動きが制限されます。足関節の動きが悪いと膝関節・股関節にも影響を与えます。
半月板損傷はスポーツなどの激しい運動によって起きることが多いため、足関節から股関節にかけて十分にストレッチを行い、運動することを心がけましょう。
〇インソール
筋肉が硬くなっているのは、運動のしすぎだけではありません。姿勢が崩れてしまい。常に筋肉が働いているため、筋肉が硬くなっています。
姿勢が崩れている原因は、足であることが多くあります。アメリカの足医学協会では、姿勢が崩れる原因の60~70%は足からの影響であると言われています。
姿勢の崩れの始まりは重心の位置がずれることから始まります。
人間の重心は決まった場所にずっと止まっておらず、微妙に動いて、体がまっすぐになるように調整しています。この重心が大きく動いてしまうと、体が倒れないように筋肉が働きます。
ずれた重心のままで止まっている為、体が倒れないようにまっすぐにしよと、常に筋肉が働き、体が硬くなってしまいます。
重心の位置を本来の位置へ戻してあげることで、自然と必要のない筋肉が緩み、楽に立つことが出来ます。また、立つだけでなく、体が動くと重心もずれます。重心が正しい位置で、動くことで効率よく動くことができ、筋肉を使いすぎることはありません。
インソールを使うことで、いつでも重心を正しい位置に保つことができ、動きやすくしてくれます。
スポーツ用や仕事用など、用途によって靴を履き替える時にインソールを入れるだけで使用したり、それぞれの靴に入れて置いたりすることで、常に安定した体でいることが出来ます。
今回のポイント
①手術をしなくて済むのは損傷しているところが外縁、炎症がひどくない、軟骨
が損傷・変形していない
②ハムストリングス、ふくらはぎのストレッチを行う
③インソールを使用して正しい姿勢にする
半月板損傷で悩んでいるあなたへ
半月板損傷になり、手術をするかどうか悩む毎日を送り、つらい思いをされていると思います。しっかりと問題を解決してあげれば、手術をすることなく、悪化することのなく日常生活を送れるようになります。
まとめ
いかがでしたでしょうか?半月板損傷には様々な原因と種類があります。しっかりと原因を見つけ、その原因に対して施術をしていく必要があります。ただ「筋トレ」「湿布」「電気治療」だけでは完治は難しいでしょう。専門家に体の状態をしっかりとチェックしてもらう必要があるでしょう。