こんにちは。日本膝の痛み研究所福岡支部「未病リハビリセンターハレル」の今林です。
本日はお酒を飲んだ後の膝の痛みの原因と対処法についてお話します。
・お酒を飲むと膝が痛くなる
・お酒だけを飲んで寝ると、次の日膝が痛くなる
・膝関節だけでなく、筋肉も痛い
上記のような症状で悩んでいませんか?このブログでは正しい原因や対処方法についてお伝えします。是非ご参考にしてください!
膝の痛みの原因
お酒を飲んだ後や次の日に、膝関節が痛くなる原因は、アルコールの分解過程で発生する「アセトアルデヒド」という猛毒物質です。
アルコールは主に肝臓で分解されます。完肝臓で完全に分解しきれなかったアセトアルデヒドは、血液に溶け込むことで全身に周ります。そして、全身の神経を刺激するため、お酒を飲んだ後に膝関節が痛くなることがあるのです。膝関節だけでなく、他の関節が痛くなるのも同じ原因です。
特に日本人の約半分以上は、体質的にアセトアルデヒドを分解するのが苦手です。そのため、お酒を飲み過ぎて、関節が痛くなるなどの不快な症状を引き起こしやすいとされています。
アセトアルデヒドは肝臓で分解され、二酸化炭素と水になって、体外へ排出されます。アセトアルデヒドをなるべく早く分解してしまえば、不快な症状は出現しない、あるいは軽くすることがでます。
お酒を飲めない人ほどアセトアルデヒドを分解しきれず、体内に残りやすいため、飲み過ぎると関節痛や筋肉痛も現れやすくなります。
そのままの状態で飲み続けるとどうなるか
長い年月お酒をたくさん飲んでいると、肝臓だけでなく、全身の臓器に悪影響を及ぼします。そのなかには末梢神経などの障害も含まれます。例として『アルコール性多発神経炎』が挙げられます。手足のしびれや痛み、感覚異常などが症状として挙げられます。また、『アルコール性筋炎』と言われるものもあり、筋肉が痛んだり、脱力・麻痺といった症状が現れます。
これらの原因は栄養のバランスが崩れ、ビタミンやミネラルが欠乏することが原因として挙げられます。
体内のアルコールを分解するためにはビタミン類を大量に必要とします。ほとんど食べ物をとらずに酒ばかり飲んでいたり、嘔吐や下痢などの胃腸・肝機能障害があると、栄養素の吸収が悪くなり、慢性的なビタミン不足状態からビタミン消費に追いつかなくなります。
さらに、喫煙が重なればビタミン類は破壊され、ますます神経障害が起こりやすくなります。
アルコール自体が毒性をもった物質ですが、その分解の過程で生じるアセトアルデヒドはもっと強力な毒性を持っています。飲み過ぎた後の関節の痛みは、アセトアルデヒドが筋肉や関節付近の細胞に浸透し、神経を刺激し、痛みの原因の一つになります。
そもそもなぜお酒を飲むと関節が痛くなるのか?まずはお酒を飲むと関節が痛くなる原因をしっかりと理解しておきましょう。
5つの対処法
お酒を飲んだ後、アルコールを肝臓でしっかりと分解できれば、お酒を飲んでも関節は痛くならない、あるいは軽くなります。その為に下記の事を心がけて、お酒を飲みましょう。
①適度な飲酒を心がける
お酒を飲み過ぎるとアルコールを肝臓で完全に分解できなくなる可能性が高くなるので、そもそもお酒を飲みすぎないようにすることが大切になります。これが基本になります。
アルコールを肝臓で分解する能力は当然、個人差があります。どのくらいまで自分がお酒を飲めるのかをしっかり把握しておきましょう。
②お酒と一緒に何かおつまみを食べる
空腹状態のままでお酒を飲んではいけないとよく言われます。空腹のままでお酒を飲むと、一気にアルコールを胃腸が吸収してしまいます。しかし、わたしたちの肝臓はたくさんのアルコールを一度に分解しきることができません。結果的にお酒を飲んだ後に関節が痛くなるなどの症状が出やすくなってしまいます。
お酒を飲むときには必ず一緒に何かおつまみを食べるようにしましょう。特にからあげやフライドポテトなどの油分の多い食べものはしばらく胃腸に残るため、お酒を飲んだ後の関節痛が起きづらくなるでしょう。ただカロリーは高いため、ダイエット中の方はご注意ください。
③たっぷりと水分を摂取する
アルコールには利尿作用があるため、お酒だけを飲んでいると、体内の水分はどんどん奪われてしまいます。わたしたちの身体は水分が不足すると、アルコールを分解できなくなります。つまり、お酒を飲んだ後の関節痛が起きやすくなってしまうのです。
お酒を飲んだ後は意識的にたくさんの水分を摂取するようにしましょう。できればお酒を飲んでいるときから、ミネラルウォーターやウーロン茶などを飲むとよいです。
④グレープフルーツジュースを飲む
グレープフルーツの主成分であるフルクトース(果糖)は、アルコールの分解を助ける作用があります。また、同じようにアルコールの分解をサポートするクエン酸やビタミンCなども豊富です。お酒を飲んだ後にグレープフルーツを食べたり、100%グレープフルーツジュースを飲んだりするのがおすすめです。
さらに、お酒を飲むと不足しやすい栄養素であるカルシウム、カリウム、ビタミンB1、ビタミンB2なども補給できるため、二日酔い対策としても効果的があります。
また、前述のビタミン不足の状態やアルコールの利尿作用による脱水状態、夜更かし、偏食、運動不足、冷え、風邪、生理中など体調不良や強いストレスなどがあると、自律神経も乱れがちで痛みに敏感になっており、疲労物質も蓄積しやすく神経のトラブルが起きやすくなります。また、飲酒後のむくみも痛みの原因となります。
飲み過ぎ、食べ過ぎがきっかけで起こる「痛風」も、注意が必要になります。
お酒を飲むときには、同時にビタミン補給や栄養バランスの良いおつまみのとり方も重要になります。
今回のポイント
①体質的にアセトアルデヒドを分解するのが苦手であると膝の痛みが起きやすい
②適度な飲酒を心がける
③お酒と一緒に何かおつまみを食べる
④たっぷりと水分を摂取する
⑤グレープフルーツジュースを飲む
お酒を飲み過ぎて膝が痛くなるあなたへ
お酒を飲むと楽しくなって、つい飲み過ぎてしまいますよね。病院や家族の方、周囲の人からと「飲み過ぎに注意してください」「飲んではダメ、禁酒!」と言われ、ストレスが溜まりやすく、つらい思いをされていると思います。しっかりと問題を解決してあげれば、以前のように膝の腫れや痛みに苦しむことなく、日常生活を送れるようになります。
まとめ
いかがでしたか?お酒を飲むと関節が痛くなるときの原因と対処法についてお伝えしました。お酒を飲むと関節が痛くなるのは、自分のアルコールの分解能力を超えてしまったからです。自分の体質や体調をしっかり理解した上で、上手にお酒を飲みましょう。