こんにんちは。日本膝の痛み研究所福岡支部「未病リハビリセンター ハレル」の今林です。
本日は半月板損傷をしてしまい、定期的に損傷を繰り返してしまう要因についてお話します。
・手術して治ったと思ったのにまた痛みが出てしまった
・リハビリをしているのに痛みが消えない
・痛みはないが足をつくのが不安である
・上記症状でお悩みの方
このようなお悩みはありませんか?このブログでは繰り返してしまう原因について詳しく紹介していきます。是非ご参考にしてください!
Contents
半月板とはどのような役割があるのか
「半月板」とは、膝の関節の内側と外側に1個ずつある三日月型の軟骨組織です。
厚さは4mm位で、硬さは、少し硬めの消しゴムくらいです。
主に、膝を安定させる役割と、ひざの関節にかかる衝撃を分散させるクッションの役割を担っています。
膝の痛みで病院に行き、MRIを撮った結果、半月板に傷や裂け目が見つかると、「半月板損傷」という診断がつきます。
半月板損傷とはどのような症状なのか
半月板損傷の症状は、
- 膝の内側、もしくは外側が痛む
- 階段を上り下りする時に痛む
- 正座ができない、しゃがみこめない
- ひざを完全に伸ばそうとすると痛む
- 何か引っかかったような違和感を感じることがある
- 膝周りが腫れる
などが挙げられます。
それ以外に「ロッキング」といって激しい痛みとともにまるでロック(鍵)がかかったように急にひざが動かなくなる症状が出ることがあります。初めて経験したときには、驚きと痛みでパニックを起こすほどといわれています。
膝の痛みをかばいながら過ごしているうちに、腰や股関節など別のところまで痛くなることがあり、どんどん悪循環に陥ってしまいます。さらに症状がひどくなると、就寝中に痛みで目を覚ますこともあります。これは炎症が続いてしまっていることが原因で、日々ストレスがかかっているという証拠です。
半月板損傷の原因とは
病院では、MRI画像に映る半月板の損傷そのものが痛みの根本原因と考え、半月板だけを何とかしようとします。もちろん、お医者さんはあなたを少しでも楽にしてあげたい気持ちで治療を行っていると思います。
しかし、これらの手術をして損傷部位を取り除いたり修復したりしても、痛みが改善しない方もいることから、半月板の損傷とひざの痛みはイコールではないと考えられます。
まずは、半月板損傷の痛みの正しい原因を理解していきましょう。
例えば、スポーツをしているときなどに、半月板へ無理な力が入った状態で膝を曲げたり、膝の捻りが加わることで損傷につながります。一般的には内側の半月板を損傷する場合が多いとされています。
膝が動かなくなる、力が抜けて膝が折れてしまう、膝を動かすときに音がする、関節が腫れたり、膝関節の動きの制限、歩行困難、などが半月板損傷の症状になります。
しかし、半月板は軟骨組織でほとんど神経が通っていないので、爪や髪の毛を切っても痛くないのと同じで、半月板そのものが痛みを感じるわけではありません。
実際に痛みを感じるのは膝関節を取り囲む関節包・滑膜というところです。
半月板は、膝を深く曲げると、膝の後ろに移動します。逆にひざを伸ばしてくると前方に戻っていきます。損傷した半月板はささくれのようになって動くときに関節包・滑膜を刺激して痛みになるのです。
このような状態になってしまったのは、膝関節の動きに関わる筋肉や筋膜、腱が硬くなってしまったからなのです。
これらの組織が、大腿骨(だいたいこつ)や脛骨(けいこつ)を通して、半月板に偏った圧力を加えることで、痛みになるのです。
半月板の損傷は痛みの「原因」ではなく、筋肉の柔軟性の低下による筋肉の循環不全や無理な動きをした「結果」です。 膝周りの筋肉が柔軟で、筋肉が硬くなることがなければ、膝が痛むことはありません。
手術をすることのリスクとは
病院では、湿布やマッサージといった方法で改善が見られない場合、最終的には手術を勧められます。手術は半月板の「切除」と「縫合」の二通りがあります。
切除は、損傷した半月板を全部、あるいは一部を取り除くものです。縫合は、治癒が期待できるところを縫い合わせる手術療法です。
ここで問題なのは、“半月板”という生まれた時から備わっていた体の一部を取り除いてしまうことです。
半月板は関節を安定させることと、膝の関節部分を動かす際にはクッションの役割を果たします。半月板の一部、もしくは全部を切除してしまうことで、膝関節が不安定になり本来の動きができなくなったり、クッション性がなくなることで骨が破壊されてしまい、「変形性ひざ関節症」という別の症状を起こしてしまう可能性もあります。
半月板を取り除くことのない縫合手術でも、スポーツに復帰して再び半月板を損傷してしまうことは少なくありません。また、手術の後遺症でしばらくの間、痛みが続くこともあります。
これは、半月板が膝の状態の情報を脳に送る役割があるため、損傷している半月板を縫合しても、脳へ間違った情報を送ってしまうのです。
そうなると、適切なタイミングで、適切な筋肉の収縮を得ることができなくなり、筋肉で関節を守ることができません。
そうなると、膝関節への負担が大きくなり、使えていない筋肉をさらに疲労させ、痛みが残ってしまうことになります。
なので、「半月板損傷は、手術すれば元通り痛みなく動けるようになる」という説明が病院でなされたとしたら、それは必ずしも正しいものではありません。
適切な対処をすれば、手術なしで半月板損傷の痛みは改善していく可能性があることを、これからお伝えしていきます。
半月板損傷の痛みは手術なしで改善する可能性がある
半月板損傷になると膝が痛い、膝がはれる、膝をまっすぐ伸ばせない、正座やあぐらが痛くてできないなど日常生活やスポーツの練習にさまざまな支障が出てきます。
膝の痛みをかばって練習をしていると、腰や股関節など別のところが痛くなることもあり、どんどん悪循環になってしまいます。さらに症状がひどくなると、夜寝ていて痛みで目を覚ますこともあります。
病院では、筋肉をつけることを勧められたり、ヒアルロンの注射を打ったり、シップを貼ったりすることが多いようです。
そして、最終的には手術を勧められることもあります。
あなたは、お医者さんに「半月板損傷の手術は簡単だから、心配はいらない」って勧められていませんか?
そして、「プロスポーツ選手も半月板損傷の手術をしているのだから、手術をやろうかな」と思っていませんか?
しかし、前でも述べたように手術にはリスクがあります。
半月板を取り除いた場合、膝が不安定になり膝本来の動きができず、骨の破壊が起こってしまうこともあります。また、筋肉の収縮速度が遅くなり、関節を筋肉で守れなくなってしまいます。半月板を取り除くことで、「変形性膝関節症」という別の症状を起こしてしまう可能性も出てきてしまいます。
「でも、早く練習に復帰したいから、手術しかないんです。このままではどんどんチームメイトに置いていかれてしまいます。病院でもらった湿布や痛み止めを使っても全然よくなりません。早く手術をして痛みをとって、練習に戻りたいんです」というあなたの気持ちはよくわかります。
しかし、手術の決断をする前に、少しだけ時間をとって、この先を読み進めてください。
適切な対処をすれば、手術をしなくても、半月板損傷の痛みは改善していくことを、あなたに知ってほしいからです。そもそも、手術をしなければいけないほど痛みが出てきたのは、治療方法が良くなかった可能性があります。
間違っている治療を続けている可能性がある
もし、あなたが現在の治療を始めてから1か月以上経過していても、少し楽になった程度とか、痛みがあまり変わっていない、むしろひどくなっているというのであれば、行っている治療方法があなたには合っていない可能性が高いです。
患者さんから今まで行なった治療方法を聞いています。それらをまとめると、
(1) サポーター、テーピング、ギブス
(2) 病院や接骨院でおこなう電気治療
(3) マッサージ、指圧
(4) 湿布、痛み止め、消炎鎮痛剤、注射
(6) アイシング
(7) ストレッチ
(9) 太ももを鍛える筋トレ
(10)手術
などが挙げられます。私たちは、これらの治療方法を否定している訳ではありません。しかし、実際に上記の治療をしていても改善しない方が多く来院されますし、もし今の治療方法で結果が出ていないのであれば、方法を変えてみる必要があると考えています。
現在の治療で治らない理由
上記の項目は、病院や鍼灸院、接骨院で指導され、インターネットでも紹介されている、一般的な半月板損傷の改善方法です。あなたも行ったことがあるかもしれませんね。もし、これらの改善方法が有効であるならば、あなたはこんなに半月板損傷で苦しむことはないはずです。
筋肉を柔らかくするためにマッサージや指圧、病院や接骨院でおこなう電気治療、ストレッチをおこなって改善されていれば問題ありませんが、痛みを我慢しながら行うようなものは一時的に効いている気がしても、強い刺激で筋肉の組織が壊れてしまうこともあります。
すると体は、壊れた組織を回復する際に再び壊されることがないようにと、どんどん組織を強く硬くしてしまいます。なので、痛みを我慢してマッサージやストレッチを繰り返してきた患者さんほど、筋肉の緊張がより強くなっており、慢性化して改善しづらくなっている傾向にあります。特に痛みのある状態の筋肉に対しての強いマッサージやストレッチはますますオススメできません。
筋肉を柔らかくしようと思ったら、筋肉の組織などを壊さないように、緊張が起きないように働きかけをして、柔軟にしていく必要があるのです。
そのため、原因は理解していても、その原因に対しての治療方法が間違っていると痛みが改善しないのです。
半月板損傷の痛みを繰り返してしまう理由
半月板損傷の患者さんの中には「痛みが治っても、運動を再開すると痛みが戻ってしまうんです。」と言われる方がとても多くいらっしゃいます。
これは、痛みを感じなくなっただけで、痛みを引き起こしてしまう要因が解消されていないことが考えられます。
これは半月板損傷に限らずですが、膝はいきなり痛くなるのものではなく、その方の動き方やクセ、競技、生活環境、休息やケアの方法などによって違いはでてきますが、これまでの習慣の中に痛みを引き起こしてしまう要因があったため起きる症状です。
ですから、痛くない=治ったというのは間違いです。
手術なしで半月板損傷の痛みを改善する4つの方法
これまでお話してきたことを踏まえて、半月板損傷は正しい原因を理解して、その原因に対して適切な治療をして、再発が起きないような体作りができればきちんと改善します。
半月板損傷に対して具体的には以下のような施術をおこなっていきます。
①膝周辺の筋肉を柔軟にする
膝の痛みを起こしているのは、主に大腿骨や脛骨の周りにくっついている筋肉です。まず、これらを柔軟にしていきます。緊張している(硬くなっている)筋肉は強い刺激を与えるとさらに緊張が強くなってしまうので、痛くない(緊張が起きない)範囲で働きかけをして、柔軟にしていきます。
②膝関節以外の関節・筋肉にもアプローチする
膝の痛みは、膝周りの筋肉の硬さだけでなく、膝を使う動きに関係する筋肉を柔らかくしていく必要があります。特に、ですから、股関節周りや太ももの内側、外側、すね、ふくらはぎ、足首などその方の状態を見て必要な箇所に働きかけをしていきます。治ったと思って再発してしまうのは、このような関連する筋肉に対しての治療がおろそかになっている可能性があります。
③間違った脳への情報を修正し、正しい動きを学習します
半月板を損傷してしまうと、膝から脳みそへの情報が狂ってしまい、筋肉が収縮しないといけないタイミングで収縮ができない。収縮しても、遅れてしまうので、その分関節に負担がかかり、さらに筋肉が硬くなってしまうということが起こります。
そのために狂ってしまった膝の情報を正しい情報に書き換えなければいけません。
膝の動きの情報、そして筋肉を収縮するためのタイミングなど、関節を守るため、いい動きをしていくために脳みその再学習が必要になります。
再学習がうまくいけば、適切なタイミングで筋肉が収縮し、足を動かす時や足を付く時の不安は無くなるのです。
④再発防止の方法やご自身でできるセルフケアを伝えます
半月板損傷の痛みが軽減されてきたら、ご自身でできるセルフケアもお伝えしていきます。ご自身でもセルフケアを行いながら、施術を受けることでより回復しやすくなります。
また、スポーツをされている方であれば、必要に応じて、復帰する際の練習環境、練習方法、姿勢なども、具体的にアドバイスしていきます。体の柔軟性が取り戻されると筋肉が硬くなっていたことで起きていた動きの制限やクセなども修正されて、その人に合った本来の体の動きに戻っていくため、練習を休んでいたにもかかわらず、自己ベストが出たりパフォーマンスがアップする選手も少なくありません。
今まで使われていなかった筋肉がうまく使えるようになって、感覚がどんどん鋭くなっていくことで再発防止にもなります。
繰り返してしまう半月板損傷後の痛みを抱えている方へ
痛みでやりたいことが制限され、とてもつらいことと思います。痛みが繰り返してしまうばかりに好きな好きな運動をするのが怖い、運動不足で体重が増えているなどの悩みを抱えているのではないでしょうか?しっかりと問題を解決してあげれば、膝の痛みを繰り返す心配なく、今までの通りに思いっきり走ることが出来るようになります。
まとめ
いかがでしたでしょうか?半月板損傷後の繰り返すのは多くの原因があります。しっかりと原因を見つけその原因に対して施術をして行く必要があります。ただ膝痛みだから「筋トレ」「電気治療」「湿布」「痛み止め」だけでは完治は難しいでしょう。専門家に体の状態をしっかりとチェックしてもらう必要があるでしょう。