こんにんちは。日本膝の痛み研究所福岡支部「未病リハビリセンター ハレル」の今林です。
本日は変形性膝関節症の方に特徴的にみられる足部についてお話します。
・自分の足をよく見たら土踏まずがない、または低い。
・外反母趾または偏平足と言われたことがある
・長い距離を歩くと、膝が痛くなってくる
上記のようなお悩みはありませんか?このブログでは正しい原因についてお伝えします。是非ご参考にしてください!
多くの変形性膝関節症の方は原因が、仕事などで膝を酷使したから、前に靭帯を損傷したから、半月板を損傷したからなどと思っている方が多いと思います。確かにそれも原因の1つではあります。しかし、それが本当の原因であるとは限りません。本当の原因は「足の形」かもしれません。
1. 足の機能について
足部とは、足首より下の部位のことを言います。足部には26個の骨があり、全体重を支えています。この26個の骨が内側、外側、横に“アーチ”を形成しており、体重支持に役立っています。
このアーチの構造がデコボコした道や傾斜の道などの環境に合わせて適合させており、歩く時や走る時の衝撃を吸収し、エネルギーを伝播させて推進力を生み出しています。
内側縦アーチは歩行などの運動に、外側縦アーチは足のバランスに密接に関与しています。
また、足の裏には触覚や痛覚といった様々な感覚を入力する固有受容器と呼ばれるものがたくさんあります。簡単に言うと脳みそに情報を伝える“センサー”の役割をしています。このセンサーを利用して、私たちは体をまっすぐにして立ったり、歩いたりすることが出来ています。
2. 変形性膝関節症の足部の特徴
では変形性膝関節症の方はどんな足の形をしているのでしょうか?
実は変形性膝関節症の足部の特徴があり、特に「偏平足」と「外反母趾」が多く見られます。
偏平足とは、土踏まずがない、または低い足です。内くるぶしの後ろを通っている後脛骨筋と言われる筋肉を始めとする、足部の筋肉の張力が低下し、内側のアーチが下がっている状態です。足の裏全体が地面に接地している状態です。
外反母趾とは、足の親指が小指側に変形している足です。足の親指の付け根のところの皮膚が固くなったり、タコが出来ていたりします。靴(先の細いハイヒール)、関節リウマチや偏平足などが発症要因となっています。
3.足部変形の改善方法
足のアーチが崩れ、衝撃を吸収する機能が低下することで、足部内の筋肉の機能が低下します。
すると、立位や歩行などの動作が不安定となり、安定する為にふくらはぎの筋肉が過剰に働きます。
筋肉の過剰な働きで姿勢が崩れていき、それが足首や膝関節の痛みとなり、日常生活に支障が出てくるのです。
膝関節痛を足部から改善させていくには、まず過剰に働いている筋肉をマッサージやストレッチで緩ませます。
そして機能が低下している足の中の筋肉をトレーニングしていく必要があります。
他にも足の機能を発揮するために、足の裏側にある固有受容器のセンサーを利用したインソール(足底板)を使用するのも良い方法です。
4.今回のポイント
・足部には26個の骨があり、アーチを形成して衝撃を吸収したり、動作時の推進力を生み出している。
・足の裏には固有受容器と呼ばれるセンサーのようなものがある
・変形性膝関節症にみられる特徴的な足の形は偏平足と外反母趾がある
・改善方法として過剰に働いている筋肉は緩ませ、機能が低下している筋肉を鍛える。
・足部の機能を発揮する、保つためにインソールを使用する
5. 足の形の変形に悩む方へ
アメリカの足医学協会では、60~70%が足部からの影響で何らかの障害が起こると言われています。なぜ足の形が変形しているのか、その原因を見つけて、その原因に対して施術を行う必要があります。
自分の足はもしかしたら偏平足かも?外反母趾かも?と、不安に思っていませんか?扁平足や外反母趾をそのままにしていると、膝関節が痛くなったり、膝がO脚やⅩ脚に変形してしまったりと、膝関節に大きな影響を与えます。
ですが、今から問題に対して対処・解決すれば、安心して日常生活を送ることが出来ます。もしあなたが膝痛があるのであれば、痛みが強くなる前に早めに専門家に体の状態を相談してみて下さいね。