こんにちは。日本膝の痛み研究所福岡支部「未病リハビリセンターハレル」の今林です。
本日は40代女性の膝の痛みについてお話します。
・年齢を重ねるにつれて膝が痛み出した
・膝が痛くて仕事がつらくなってきた
・膝の痛みを取って楽に仕事、日常生活を送りたい
上記のような症状で悩んでいませんか?このブログでは正しい原因や対処方法についてお伝えします。是非ご参考にしてください!
プロテオグリカンとは
関節軟骨は衝撃を吸収するクッション機能がありますが、中でも特に重要な役割を担っているのが、水分を引きつけて関節軟骨の内部に蓄える働きのあるものがプロテオグリカンです。
簡単に説明するとプロテオグリカンは、水をたっぷり含んだスポンジのようなものです。
膝関節の屈伸や歩行などの衝撃が加わると、押されたスポンジから水が抜けていくように、プロテオグリカンに蓄えられていた水分が関節軟骨の外に押し出されます。このとき、膝に加わる力が水分の移動する力に変換されることで、衝撃が吸収されるのです。
衝撃を受け止めて関節軟骨から押し出された水分は、しばらくすると軟骨内に戻り、プロテオグリカンによって再び軟骨内部に蓄えられます。こうした水分の出し入れを繰り返すことで、日常動作で加わる膝への衝撃を和らげています。
40代以降で肥満の女性は要注意
変形性膝関節症による軟骨の摩耗は、プロテオグリカンの減少から始まります。そこには遺伝的な要因もありますが、わかっている要因は5つあります。
①加齢
プロテオグリカンは常に新陳代謝をしており、壊されては新しく作られます。しかし、加齢とともに代謝が落ちると、壊れたぶんだけプロテオグリカンが作られなくなり、量が減っていきます。
②過剰な運動
激しい運動などで膝関節を使い過ぎると、プロテオグリカンが壊れてしまいます。30代までなら加齢による代謝機能が低下しないため、壊れても元に戻りやすい状態です。
ところが、40代を過ぎてからハードな運動をすると、壊れても元に戻らなくなります。
しかし、運動をしない状態ではプロテオグリカンの代謝が落ちてしまうので、適度な運動は必要です。
③女性ホルモンの減少
変形性膝関節症は、中高年以降の女性から多くみられる疾患です。そこには女性ホルモンが関係しています。
女性ホルモンのエストロゲンには、軟骨を保護する作用があります。しかし、更年期が近くなってくるとエストロゲンの分泌が減り、プロテオグリカンも減ります。
④肥満
体重が重いほど膝関節の軟骨に負荷がかかり、プロテオグリカンが減っていきます。
目安としてBMI(体格指数)で算出する、肥満指数で25を超えると肥満となります。BMIが30以上の人は、プロテオグリカンの減少を疑うべきでしょう。
⑤膝をかばいすぎる生活
膝を動かさないことが習慣化してくると、膝の周囲を流れる血流が低下します。膝の関節軟骨に栄養を送るのは血液ではなく、関節全体を包む関節包を満たす関節液になります。ただ、関節液は関節包の内側にある滑膜から分泌されるため、膝の周囲の血流が滞れば滑膜に栄養が送られなくなり、結果として関節液の生産は衰え、関節軟骨が栄養不足に陥ります。そうなれば、プロテオグリカンは減少しやすくなります。
また、膝の曲げ伸ばしをしない生活では膝への刺激が乏しくなり、プロテオグリカンの適度な破壊が起こりません。したがって、プロテオグリカンが新たに作られる新陳代謝も滞り、その量は減っていきます。
こうした新陳代謝の低下が起こるとプロテオグリカンの生産機能も衰えるので、いざ膝を動かしはじめてプロテオグリカンが壊れても、すぐに補充できません。結果として、プロテオグリカンが不足した状態を生み出し、膝を傷めやすくなります。
以上のことから40代以降の女性で運動の習慣がなく、肥満の方は変形性膝関節症のリスクが非常に高くなることがわかります。
治療のポイント
適度な運動は代謝機能の低下を防ぎ、筋力の低下や減量にもなります。しかし、適度な運動を行う前に、運動を行える身体の準備が必要になります。
・背骨の調整
・体幹筋(お腹の筋肉)を使っている姿勢・動作を身につける
・習慣化できるまで脳みそで学習する
変形性膝関節症の原因の1つとして、普段の姿勢が膝関節に微小なストレスが常にかかることで、膝の軟骨が摩耗します。
背骨を調整し、体幹筋が力を発揮しやすくなると姿勢や動作がしやすくなります。しかし、その状態を維持するには、脳みそが学習し、習慣化する必要があります。
膝の痛みに悩む40代の女性へ
徐々に膝が痛み始め、仕事や日常生活を送りつらくなってつらい思いをされていると思います。しっかりと問題を解決してあげれば、以前のように日常生活が送りやすくなるようになります。
まとめ
いかがでしたでしょうか?40代での膝の痛みには様々な原因があります。しっかりと原因を見つけ、その原因に対して施術をしていく必要があります。ただ「ストレッチ」「筋トレ」「湿布」だけでは完治は難しいでしょう。専門家に体の状態をしっかりとチェックしてもらう必要があるでしょう。