こんにちは
日本膝の痛み研究所「リライフ整体院」のよしかわです。
今日は見逃されやすい膝の靭帯損傷の怖さについてお話ししたいと思います。
あなたはこんな状態で悩んでいませんか?
- ある日急に膝が痛くなり、激痛で歩くのもつらい
- 病院に行って検査をしたけど原因が全くわからない
- とりあえず痛み止めと注射をしているが一向に改善せず不安でいっぱいになっている
もし、あなたがこのような状態ならこのブログを読んでその膝の激痛の正体を突き止めてほしいと思います。
膝を支える4つの靭帯
膝関節は、蝶番関節という種類の関節の形をしています。
肩関節や股関節はぐるぐるといろんな方向に自由に動きますが、膝や単純な曲げ伸ばししかできない蝶番のようなつくりになっているからです。
このような膝の構造により、膝関節は曲げ伸ばし以外の『捻り』に弱い関節になっているため4つの強い靭帯によって保護されているのです。仮に膝に靭帯がなかったら膝関節はぐらぐらに緩み支えることができなくなっていまします。
1. 内側側副靭帯
膝の靭帯の中で最も損傷の多い靭帯です。
膝の内側にあり、太もも(大腿)の骨とすね(下腿)の骨をつないでいます。
膝の内側が伸ばされるような力が働くことでこの靭帯も引き伸ばされ、損傷してしまいます。
2. 外側側副靭帯
内側側副靭帯とは反対側の膝の外側にあり、大腿と下腿の骨をつないでいます。
膝の外側が引き伸ばされるような力が加わったときに損傷してしまいます。 1の内側側副靭帯損傷に比べ、この靭帯が単独で損傷することは稀な症状です。
3. 前十字靭帯
内側側副靭帯の次に損傷の多い靭帯です。
膝関節に捻る力が加わった時に損傷してしまいます。
内外側副靭帯と違い、関節の中にある靭帯なので、損傷した靭帯が自然治癒することはまずないため、ほとんど方が手術にて治療を行います。
4. 後十字靭帯
前十字靭帯と同じく、膝関節の中にある靭帯です。
前十字靭帯に比べ、損傷することは稀です。
靭帯損傷の症状と検査法
何らかの理由で靭帯を損傷するといずれの靭帯においても激しい炎症症状(膝がひどく腫れる、熱を持つ、激痛があるなど)が見られます。
靭帯損傷の診断は一般的にMRIなどの画像所見と膝のゆるみを診る徒手検査によって総合的に行われます。
しかし、実際はMRIの検査のみで診断されることが多く、医者が実際に膝を触って膝のゆるみを直接検査することは非常に少ないのが現状です。
このゆるみの検査というのは実際に膝を動かすことで、どの方向にゆるみが出ているかを判断してそこからどの靭帯が損傷しているか判断する検査です。(例えば内側側副靭帯の損傷の場合は膝が内側に入るように曲げると強い痛み及びゆるみが認められるなど)
そのため、画像で靭帯損傷の兆候が見られない場合はほとんどの場合原因不明になってしまいます。(ゆるみの検査をすればすぐわかるはずなのに)
病院でも見逃されやすい靭帯損傷とは
それは2の外側側副靭帯損傷です。
実際症例の数があまり多いとは言えないこのケガですが
この1ヵ月の間に、当院にこの外側側副靭帯損傷の患者さんが4人も来院されました。
いずれも病院では原因不明で1ヵ月以上激痛に苦しんでいる方々です。
なかには動かさないと固くなってしまうからと病院で無理やり膝を曲げられたり、激痛があるにもかかわらず無意味がトレーニングを積み重ねて、日に日に悪化していて歩けなくなってしまっているような方もいました。
なぜ見逃されてしまうのか?
これはあくまで私の見解ですが
一つは症例数が少なく、外側側副靭帯損傷というものを疑っていないため
そしてもう一つは画像検査のみになって実際に患者さんの膝を見ないため
だと考えられます。
仮にすぐに外側側副靭帯損傷だと診断されていれば、もっと適切な対応をとっており早期に回復していたはずです。
また、この靭帯は他の靭帯比べ細く、大きな受傷機転(強くひねった、ぶつかったなど)がなくても日常生活の中で損傷してしまうのも見逃しやすいポイントです。
外側側副靭帯損傷の特徴的な症状
まず、この靭帯が損傷すると特徴的なのがその歩き方です。
外側の靭帯を損傷しているため、小指側に体重をかけると強い痛みがでます。
そのため、親指側で過剰に体重を支えたり、股を大きく開いて足をついたりします。
受傷直後は痛みが強いため、判別は難しいですが、試して肩幅で立って徐々に痛みのある足の小指側に体重を移動させてみてください。小指側にのれないときはこの靭帯を損傷している可能性が高いです。
靭帯損傷の対処法
何よりも炎症を抑えることが最優先です。
そのためにまずは安静(Rest)、つまり過剰に膝に負担をかけないことが大事です。といっても寝ていろというわけではなく、できるだけ足に体重が乗らないように松葉杖などを使い歩行をすることをお勧めします。
また早く炎症を引かせるためには冷却(Icing)が基本中の基本です。 袋に入れた氷水で直接冷やして一回15分、できるだけ多くの回数冷やしてください。
炎症が落ち着いてきたら、状態を見ながら歩き方の指導や二次痛の予防、筋力トレーニングなどを実施していきます。
適切な治療を行えば2ヵ月ほどで元の状態まで回復していきます。
まとめ
- 原因不明の激痛は靭帯損傷の可能性がある
- 病院で検査しても見逃されてしまうものもある
- 実際に直接膝の状態を細かく見ることで痛みの原因がわかる