こんにちは。日本膝の痛み研究所福岡支部「未病リハビリセンターハレル」の今林です。
本日は食事によって膝の痛みを予防・改善する方法についてお話します。
・運動しても痛みが取れない
・運動するように言われたが、痛みが強くて運動できない
・病院から「バランスの取れた食事を」と言われたが、具体的に何を食べればいいかわからない
上記のような症状で悩んでいませんか?このブログでは正しい原因や対処方法についてお伝えします。是非ご参考にしてください!
膝の痛みの原因となる部位
膝の痛みを起こしているのは筋肉や靭帯、関節包と呼ばれる関節を覆っている膜などが損傷したり、炎症が起きたりして痛みを引き起こしています。
よく変形性膝関節症の痛みは軟骨がすり減って痛むと言われますが、これは間違いです。
人間の体中には触れる、熱い、冷たい、痛いなどの感覚を察知する受容器と呼ばれるものがあり、ここで受け取った情報を脳へ伝えています。軟骨にはこの受容器も、情報を伝える神経もありません。そのため、変形性膝関節症の痛みの原因は軟骨以外の膝関節周囲の組織によるものになります。
なので、ほとんどの膝の痛みの原因となる部位は筋肉や靭帯、関節包であり、この組織が損傷したり、炎症が起きたりすることで痛みを感じます。
栄養のバランスがなぜ大事なのか
栄養・食事にはバランスが必要とよく聞きますが、なぜ必要なのか。
「ドべネックの桶」という考え方があります。桶に満杯の水を張ると水はこぼれませんが、栄養不足となり、栄養素が足りないと1または2ヵ所の板が低くなり、そこから水があふれてしまい、いくら桶に水を入れてもそこからあふれてしまいます。
栄養も同じようにバランスの取れた栄養・食事を取れていると、痛みは出にくく、健康を害することはありません。しかし、バランスの取れていない、偏った栄養・食事をしていると健康を害することがあり、痛みが出て、治るのにも時間がかかります。
膝の痛みをとるための栄養素
痛みをとるためには運動だけでなく、食事も大事になります。また、膝の痛みの改善だけでなく、予防にもなり、健康を維持するためにも必要です。
膝の痛みをとる、健康を維持するには、体に必要な栄養素を取ることが重要です。各栄養素をまんべんなく取るのが理想的ですが、今回は膝の痛みの予防や改善のために、積極的に取りたい栄養素とそれを豊富に含む食品、効果的な調理例をご紹介します。
【たんぱく質】
たんぱく質は筋肉を強くし、傷ついた筋肉を修復します。膝の周りの筋肉が強化しつつ、タンパク質を摂取することで、膝関節にかかる負担を軽減することができ、痛みの予防と改善になります。
タンパク質を多く含む食品は鶏卵、牛乳、アジ、牛肉、豚肉、鶏肉、チーズ、大豆、エビ、豆腐、アサリなどが挙げられます。
野菜と一緒に取ると、野菜の栄養素も得られるので、肉、豆腐、ネギなどを組み合わせて、すき焼き風の煮物にするとよいでしょう。
干しサクラエビを、焼きソバやお好み焼きなどの具に入れたり、ごはんやみそ汁にふりかけたりしましょう。
シチューなどには粉チーズをかけ、青魚は薄味で煮て、汁ごと食べると良いでしょう。
【EPA】
EPA(エイコサペンタエン酸)には炎症を鎮める働きがあるので、痛みの予防と改善に効果的です。EPAを多く含む食品としてイワシ、サバ、サンマなど、いわゆる青魚の脂肪に多く含まれています。
焼くと脂肪が流れ出てしまうので、刺し身で食べるのがお勧めです。煮魚の場合、薄味で煮て汁ごと食べましょう。また、揚げてしまうとEPAの半分以上が、揚げ油の中に流れ出てしまうので要注意です。
【ビタミンC】
ビタミンCは、骨や軟骨の成分であるコラーゲンの生成に関わっています。コラーゲンはビタミンCが不足すると、体内で有効に活用されません。
ビタミンCを多く含む食品はパセリ、ブロッコリー、ピーマン、キャベツ、コマツナ、キウイ、イチゴ、オレンジ、レモンなどが挙げられます。
ビタミンCは熱に弱く、水に溶けるので生で食べるのがお勧めです。蒸し野菜サラダや野菜の煮物にして、煮汁ごと食べるのもいいでしょう。
【ビタミンD】
ビタミンDはカルシウムの吸収を助けます。
ビタミンを多く含む食品としてカジキ、サケ、キクラゲ、干しシイタケなどが挙げられます。ビタミンDは日光に当たることで体内でも生成されます。
カジキ、サケはムニエルに、キクラゲは炒め物に入れて食べるのがお勧めです。
【ビタミンK】
ビタミンKはカルシウムが骨を作るのを助けるほか、骨からカルシウムが溶け出してスカスカになることも防ぎます。
ビタミンKが多く含まれる食品として納豆、アシタバ、ツルムラサキなどが挙げられます。
アシタバやツルムラサキはお浸しにして食べるのがお勧めです。納豆に入れて食べるのも良いでしょう。
【カルシウム】
カルシウムは骨を作り、強化する栄養素になります。
カルシウムを多く含む食品としてサクラエビ、干しエビ、ワカサギ、チーズ、ヒジキなどが挙げられます。
ヒジキの煮物や、粉チーズをシチューなどにふりかけて食べるのがお勧めです。
カルシウムは体を動かさないと骨に定着しにくいので、適度な運動も行いましょう。
今回のポイント
膝の痛みの原因の多くが筋肉や靭帯、関節包などの組織の損傷や炎症によるものです。組織の修復や炎症を抑えるため、体の自然治癒能力を発揮する必要があります。体に十分な栄養素がないと自然治癒能力が発揮できません。下記のポイントを抑えて普段から出来る膝の痛みの予防・改善に取り組みましょう。
①運動だけでなく、食事の取り方で膝の痛みを予防・改善できる
②「ドべネックの桶」の考え方をイメージして、不足している栄養素を摂取する
③たんぱく質、EPA、ビタミンC、ビタミンD、ビタミンK、カルシウムを積極的に摂取する
運動だけで膝の痛みが改善しないあなたへ
いくら運動しても膝の痛みが取れなかったり、お医者さんに何度もバランスの良い食事をと言われても、どうすればよいかわからなかったりとつらい思いをされたと思います。しっかりと問題を解決してあげれば、以前のように膝の痛みに苦しむことなく、日常生活を送れるようになります。
まとめ
いかがでしたでしょうか?膝の痛みには様々な原因があります。しっかりと原因を見つけ、その原因に対して施術をしていく必要があります。ただ「筋トレ」「湿布」「電気治療」「普段通りの食事」だけでは完治は難しいでしょう。専門家に体の状態をしっかりとチェックしてもらう必要があるでしょう。