こんにちは!膝の痛み研究所千葉支部【北柏のぞみ整体院】のうじはらです。今回のテーマは変形性膝関節症の評価方法についてお話していきます。
以下の症状がある方は変形性膝関節症かもしれません。
・曲げ伸ばすと痛みが出る
・歩き始めに痛むが徐々に痛みが減る
・正座が出来ないor自転車が漕げない
・階段の上り下りが辛くなってきた。
・自分はO脚である
・歩くときに左右に揺れるような歩き方をする
痛みが強く歩くのがしんどいという方は変形性膝関節症かもしれません。変形性膝関節はその名の通り、膝関節が変形してしまう疾患です。我々、理学療法士が変形性膝関節症のどこを評価するのかを本日はお教えします。
Contents
変形性膝関節症について
変形性膝関節症は発症の原因により「一次性」と「二次性」にわけられます。また変形のタイプが二種類あり、O脚(内反)とX脚(外反)との二つにわけられます。
O脚は日本人に多く、X脚は欧米人に多いとされています。O脚かわからない方は、起立した状態で膝と膝の間に指が何本入るか確かめてみてください。4本以上でO脚といっていいでしょう。
症状について
様々な要因によって、膝関節の軟骨が磨り減り、周辺の組織が炎症することで痛みが生じます。意外と知られていないですが、軟骨自体には神経がないため、痛みを感じません。周辺の軟部組織には痛みの神経が多く通っているため痛みを感じているのです。
また、変形性膝関節症は時期によって段階的に進行していきます。
初期
軽度のズキズキとした痛みが生じるが、時間が経つと消える。日常生活のほとんどが行える状態
中期
痛みがすぐに治まらなくなり、しゃがみ込みや正座などができなくなる。ある程度の動作の制限を強いられる。
末期
歩くたびに痛みが生じる。また重度のO脚変形や膝関節屈曲拘縮が生じ、ほとんどの日常生活動作に支障をきたしてしまう。
また、症状が悪化すると、関節内に水が溜まる関節水腫がみられるようになります。「膝の水を抜く」というのを一度は聞いたことありませんか?あれです!水を抜く=膝関節内で炎症が起きていると思ってください。
診断と理学療法評価
診断は一般的にX線所見で行われます。
関節裂隙の狭小化、軟骨下骨の硬化、骨棘、骨嚢胞、関節面不適合などを見て診断します。
重症度分類は、Kellgren-Lawrence分類を用いられるが一般的です。
<Kellgren-Lawrence分類>
0:正常
Ⅰ:骨棘形成または軟骨下骨の硬化像が見られるが、関節裂隙の狭小化はまだ見られない。
Ⅱ:関節裂隙の狭小化が見られるが、1/2以上残存(変形性膝関節症と診断される)
Ⅲ:関節裂隙の狭小化があり、1/2(痛みの影響で歩行に悪影響を及ぼす)
Ⅳ:関節列隙がほぼ認められない(日常生活に支障を来たし、場合により手術適応となる)
理学療法士が評価するポイント
患者情報
変形性膝関節症のリスク要因の有無
肥満の有無・程度
理学所見
アライメント
疼痛はあるのか?どのような姿勢・角度で出現するのか
膝周囲の筋力評価(MMTという評価を行います)
膝関節の可動域制限はないか
膝関節周囲の筋肉の状態把握
変形性膝関節症の根本的な原因とは
変形性膝関節症の原因は遺伝的な要因を含め様々な要因が考えられます。しかし、大方、変形性膝関節症になる方は若い頃から決まっています。普段の生活ではほとんど意識することのない姿勢です。姿勢が悪くなると、体の様々な箇所に症状として現れてきます。実際、O脚の方で左右に体を揺らしながら歩いている方を町で見たことありませんか?途中で気づくだろうと思っても案外自分ではわからないものです。その悪い姿勢に慣れてしまっているからです。プロのスポーツ選手で姿勢悪い人っていませんよね?普段から姿勢を整える努力をしているからです。
もちろん、我々理学療法士が評価を行い、ダメな箇所に対する治療を行っていくのですが、案外、この姿勢という部分には治療がなされません。痛みの緩和のために筋力訓練をしましょうなんて言われていませんか?よく考えてください。今現在、関節軟骨が摩耗しているのに筋力を鍛えてその摩耗が止まるんですか?筋力を鍛えるのは悪いことではありません。ですが、根本には効果が無いということです。変形した状態でも荷重がかかる位置を変えてあげるだけで痛みが取れることもあります。ぜひ今の治療に満足していないのであればこの機会に当院へ御来院ください。