日本膝の痛み研究所 関西地区 姿勢整体院リプレの角山です。
いつもブログを読んでいただきありがとうございます。
今回のブログでは、鵞足炎という膝疾患の中でも比較的よくみられる病変をご紹介いたします。
Contents
鵞足炎は膝の「鵞足」という部位の炎症
「鵞足」とは、膝の内側の少し下の方にある縫工筋、薄筋、半腱様筋というの3つの筋肉の腱の付着部分のことで、その付着部分の形が鵞鳥の足に似ていることからこう呼ばれています。
そして、この付着部分が何らかの原因で負荷がかかり、鵞足部とその裏にある「鵞足包」という鵞足部のクッションの役割をしている部分が炎症を起こし、腱付着部分である膝の内側の痛みや腫れ、熱感が出るというのが鵞足炎のメカニズムです。
鵞足炎の際に起こる『鵞足包』の炎症とは?
先ほども少しだけ触れましたが、鵞足部の衝撃を和らげるクッションの役割と膝関節の動きを滑らかにする「滑液」とよばれる関節の潤滑油の生成装置の役割を担っています。しかし、この衝撃が不必要にかかりすぎると、鵞足包に疲労が溜まり炎症が起こり、その役割を果たせなくなります。
病院で鵞足炎が治らない理由
病院で鵞足炎と診断されても、処置としてはせいぜい湿布や痛み止め程度で終わってしまいます。基本的に病院はレントゲンなどの検査で異常がないものは軽症と判断されてしまいます。そんなやり方では大事なことを見落としてしまいます。
鵞足炎は放置しておくと、膝の軟骨(半月板)が潰れて、いわゆる「半月板損傷」になったり、膝の形が歪んで変形してしまう、いわゆる「変形性膝関節症」に繋がる可能性がかなり高いですから、早いうちに治しておく必要があります。
鵞足炎の原因がわかれば治療法もわかる!
鵞足炎の原因とは?
鵞足炎の改善方法ですが、それを追究するにはまず、鵞足炎になってしまった原因を探り当てなくてはいけません。原因がわかればおのずと治し方も見えてきます。原因は大きく2つあって、股関節の過度の負荷と足底アーチの機能不全です。
鵞足炎の原因は膝の問題ではなく股関節の過度の負荷
鵞足を構成する3つの筋肉はいずれも股関節の運動時に使用します。膝の動きにも関与しますが、膝の動きを担っている主要筋は他にもあるので、鵞足を構成する筋肉は膝においては補助的な役割になります。なので、膝を動かし過ぎることで鵞足炎になることは非常に稀です。
つまり、鵞足炎は、股関節の動きが悪くなることで、鵞足を構成する筋肉と鵞足部の柔軟性が低下して、下半身を動かす時に筋肉がしっかり伸びずに、付着部である鵞足部に過度の負荷がかかり起こっていると考えられます。なので、膝ではなく股関節に対するアプローチが必要ということです。
股関節の動きを悪くする原因は、足底アーチの機能不全
そして、次に考えるべきことは、股関節の動きが悪くなってしまった原因です。それは、足底アーチの機能不全によって普段の歩き方が股関節に負荷をかけるようなものになってしまっているということです。
いくら股関節に対してのアプローチがうまくいっていても、アーチの動きが活性化して正し歩き方が出来ていないとすぐに股関節は動かなくなります。
鵞足炎の治療法
以上を踏まえて、鵞足炎の根本改善治療を考えていきましょう。ここまで原因はわかれば、あとはその原因に対しての処置をしていくだけです。
股関節の動きに対する治療
股関節の動きが悪くなることで鵞足部に痛みが出ているのであれば、当然股関節の動きを活性化させる必要があります。自宅で簡単にできる股関節のストレッチ法がありますので、是非お試しください。
ウォーキングや足の運動での治療
先ほども申し上げたように、いくら股関節の動きを活性化させても、歩き方が変わっていなかったらすぐに股関節の動きは悪く戻ってしまいます。なので、歩き方の改善も同時に行わなくてはいけません。
足の着地の仕方
歩く時に踵から地面について歩いていませんか?踵からついて歩くと足裏のアーチが動かず股関節の筋肉に負荷がかかりどんどん緊張していきますので、歩く時は足先から地面について歩いて下さい。
靴の中敷きを取り除く
足の着地が上手くできない時は、履いている靴の中敷きがアーチの動きを邪魔している場合がありますので、取り除けるならば取り除いて下さい。もし外せないタイプの靴ならば、中敷きの土踏まずの部分の持ち上がりだけでも切り取ってから履いて下さい。
鵞足炎の原因と治療法まとめ
鵞足炎に限らずですが、体の節々の痛みと言うのは、その部分に原因がないことがほとんどですので、その痛みがある部分だけに着目せずに、その部分に作用している筋肉や連動して動いている関節などを冷静に見極めて、正しいアプローチを行って下さいね。
あなたのお悩みが一日でも早く解決できることを心よりお祈り申し上げます。